がうす通信第115号(2012/6/11)


 バーモント州でスマートメーター拒否に画期的な条例通過

  他州では「設置拒否」は追加料金

ワイヤレス・デジタル電力メーター「スマートメーター」の普及が進む米国で、健康影響、プライバシー侵害、コスト面の懸念から、これに反対する声が高まりつつある。

バーモント州議会では、スマートメーターの設置を望まない人には、他のいくつかの州で認められている追加料金を払うことなしに、従来のアナログメーターの使用を認める条例が可決された。

A newly-installed "smart" meter is seen on Thursday, May 10, 2012, in Burlington, Vt. Vermont has become a hotbed in the debate over possible health effects and damage to privacy from a new generation of "smart" electric meters, wth lawmakers passing a measure to block utilities from charging customers for not having them. It's possible Vermont is the first state to not charge customers to "opt-out."(AP Photo/Toby Talbot)

米国では、それぞれの地域に大小の電力会社があり、スマートメーター機器メーカーも何社かあり、それぞれがしのぎを削っている。しかし、各家庭や事業所へのスマートメーターの設置は顧客の意思とは関係なく、電力会社が州の公益事業委員会の認可を受けて自動的に進める。

カリフォルニア州、メイン州、ネバダ州、オレゴン州などの州でも、顧客がスマートメーターの設置を「非選択」(オプト・アウト)することは出来るが、その場合、検針員の派遣などにかかる費用として、電力供給会社が顧客に追加料金を課すことが認められている。カリフォルニア地域の大手電力会社PG&Eでは、スマートメーターの設置を「非選択」すると、一時金として75ドル、その後、毎月10ドルを払わなくてはならない。

バーモント州の条例の下では、顧客はスマートメーター設置前の「非選択」だけではなく、すでに設置されたスマートメーターを撤去する場合においても、コストは非選択の人たちによって払われるのではなく、すべての顧客に分担されることになると思われる。無料非選択制を支援してきたバーモント州のロバート・ハートウェル議員は、インタビューに答え、「公益事業企業は利用者の考えなどお構いなしである。新しいシステムを導入しようとしているのは彼らなのだから、そのコストを担うのも彼らではないか」と語った。

スマートメーターの健康影響について、FCC(連邦通信委員会)は体細胞の熱化や電気的ショックを起こす可能性はほとんどないので「安全だ」と述べた。しかし、カリフォルニア州サンタクルーズ郡の公衆衛生専門家ポキ・ステュアート・ナムクン博士は1月に出した報告書に「FCCの基準は時代遅れだ」と書いた。「市民が一番心配している癌、流産、出産、先天性異常、精液性状、自己免疫疾病などの多くの慢性疾病のリスクについての安全性については何も触れていない」とナムクン博士は述べた。

カリフォルニア州に住むスディ・スカルはカリフォルニア公益事業委員会の公聴会で、PG&Eが彼女の家にスマートメーターを設置してから、頭痛と耳鳴りがひどくなったと証言した。「消費者はスマートメーター設置を「非選択」しても追加料金を払う必要はない。PG&Eの管理職と株主に「非選択」の経費を負わせよう」と彼女は言う。

PG&Eでは5月8日現在、90%以上がスマートメーターに転換され、設置を拒否したのはわずか1%以下に当たる27000人余であると言う。