がうす通信第119号(2013/2/16)


がうす通信119号2012/2/18

発送電分離 経産省が電力改革報告書まとめる 

独占・発送一貫の変更迫る

【朝日新聞 2月8日】 経済産業省は8日、2018─20年をめどに電力会社の送配電部門と発電部門の法人格を分ける「発送電分離」を実施することなどを柱とする電力システム改革案に関する報告書を取りまとめた。
 東京電力<9501.T>など大手電力が独占している家庭向け電気の小売り全面自由化は16年をめどに実施。1951年に戦後の電力体制が固まって以来続いてきた地域独占と発送電一貫体制の大きな変更を迫る内容となった。
 同省は同日夜開催の「総合資源エネルギー調査会電力システム改革専門委員会」に報告書を提示し、出席委員が内容について了承した。東京電力福島第1原子力発電所の事故を契機に1年前に始まった改革議論は一定の結論を得た格好だ。制度改革に向けて政府は電気事業法など必要な法改正を今国会に提出する。会合終了時に伊藤元重委員長(東京大学教授)は、「エネルギーと環境は日本の成長戦略や改革の本丸だ。方向としては大きな転換ができた」と強調した。

家庭用自由化16年めど 発送電分離最短5年

【東京新聞2月9日】経済産業省の有識者会議は八日、電力システム改革の報告書をまとめた。これまで電力会社が地域で独占していた家庭向けの電力販売を3年後をめどに解禁する「小売り全面自由化」と、電力会社から送電部門を5〜7年後に切り離す「発送電分離」が柱。経産省は報告書に沿って必要な法改正を目指す考えで、電力会社の地域独占体制は大転換を迎える。
 改革は今後三段階で進める。まず各地域の電力会社の垣根を越えて送配電網を運用し、効率的に電力を使う「広域系統運用機関」を2015年に設立。16年にも小売りの全面自由化を始め、18〜20年をめどに発送電分離を実施する。
 小売りの自由化が実現すれば、各電力会社が独自に料金やサービスを決め、消費者は購入する会社を選べるようになる。競争が進めば、料金の引き下げやサービスの向上が進むことも期待できる。
 ただ、急に全面自由化すると規模の大きい大手電力会社が優位となるため、発送電分離の実施などで競争環境が整うまでは、大手電力会社の現行料金制度も併存させる。競争が進んだ段階で全面自由化に移行し、発電費用に一定の利益を上乗せして電気料金を決める「総括原価方式」も廃止する。
 発送電分離は、電力会社が所有する送配電網を別会社化する「法的分離」を進め、どの事業者でも送配電網を公平に使えるようにする。電力会社が自分たちに有利に送配電網を運用し、競争を妨げることを防ぐためだ。
 また、電力市場を適切に監督するための新たな規制機関を一五年に設置する方針を盛り込んだほか、余力のある電力を活発に市場で売買するよう促す仕組みも取り入れる。
 経産省は今国会に広域運用機関の設置を記載した電気事業法の改正案を提出。小売り自由化と発送電分離の実施については、改正案の「付則」に実施方針や時期を明記する考え。

骨抜き、先送りの懸念 関西電力が実施を遅らせようと横槍

 先送り
 競争の促進には、新規の会社にも送電網を公平に利用できる発送電分離が不可欠だが、この日の有識者会議で電気事業連合会は「原発再稼働が見通せず、経営環境が悪化する中で実現は難しい」と否定的な見解を示した。
 発送電分離は、電力業界の抵抗で立ち消えになった過去がある。今回も、経産省は発送電分離の時期を「4年?6年後」とする考えだったが、電力業界側が「移行期間が短すぎる」と反発。最終的に報告書では「5?7年後」と先に延ばした。
 送配電の管理ノウハウを持つ大手電力が協力しないと発送電分離は進まないが、関西電力の岩根茂樹副社長は会合後、報道陣に「報告書には課題が見つかったら(計画を)柔軟に見直すと書いてある」と何度も強調。業界が口実を付けて実施を遅らせる懸念を残す。
 報告書を受け、改革を具体的に進めるための詳細な制度づくりに焦点が移る。有識者会議で東大教授の松村敏弘氏は「国民の関心とサポートがなくなり、詳細設計で骨抜きにされたら最悪だ。長期戦で関心を持って改革を見てもらいたい」と指摘。国民生活に直結する問題だけに、引き続き国民のチェックが最重要となる。(以上東京新聞より)