がうす通信第135号(2015/10/20)


マイナンバー 安倍政権がすすめる
    官民共通番号制度 世界でも例外!

                                                                     小川ひろみ(前国立市議)
 10月5日、This is総背番号制!といえるマイナンバー法が施行になった。今後、住民票を持つすべての日本人と在留外国人ひとりひとりに付けらえた12桁の番号が、各世帯へ送付される(「番号カード」)。
施行直前の10月3日、実施に異議を申し立てて「STOP!マイナンバー集会&デモ」が、若者のまち渋谷で行われた。マイクを持った各人の話に、マイナンバー制の危険性が凝縮されていた。一部をお伝えしたい。
 
  英国では保守党が廃止したID番号カードをすすめる安倍政権
「番号制度とカードの組み合わせによる世界でも例をみない最悪の形を、安倍政権は猛烈な勢いでつくろうとしている」と語るのは、共通番号いらないネット世 話人代表のひとり白石孝さん。韓国、アメリカ、カナダなどでは、民間分野での利用禁止(カナダ)、規制(韓国)、省庁により独自番号への切り替え(アメリ カ国防総省)など、官民分野共通の利用見直しを始めている。カードは、アメリカは紙製、カナダは廃止、韓国はプラスティック製で、いずれもICカードは使 用していない。イギリスでは、労働党政権がID・身分登録証明カード法を制定し、2013年に義務化する政策をすすめようとしていたが、2010年保守党 と自由民主党の連立政権が誕生。市民的自由の回復に向けて3つの政策プログラムをすすめた。@ID(身分登録証明)番号カード制の廃止、国家身分登録台帳 の廃止及び次世代型生体認証式パスポートの導入撤回。A監視カメラの過剰設置を抑制する B保護者の許可なしに学校での子ども指紋採取を禁止する等
日本の「個人番号カード」はICチップ付きだ。共通番号利用拡大法案が9月3日、衆議院本会議で可決成立したが、参議院内閣委員会において、民主党も含め て「生体認証の導入を含め検討する」という附帯決議まで可決している。顔写真をICチップに取りこみ、顔認証という動きもある。英国が抑制してきた監視カ メラ設置が日本では繁殖しており、安倍政権の狙いも、監視カメラによって顔写真データをあちこちで照合していける国家管理を徹底させることにあるのではな いか。白石氏はそう警告を発し続けている。

  マイナンバーの違憲性を問う訴訟を全国7か所、12月にスタート
「仙台・新潟・金沢・東京・名古屋・大阪・福岡で、いま、違憲訴訟の訴状を準備中です」とスピーチをしたのは瀬川宏貴弁護士(自由法曹団)。 住基ネットの一斉提訴の際も、金沢地裁と大阪高裁において違憲判決が出されている(但し、最高裁では合憲)。マイナンバー制の個人情報の漏えい・不正使用 の危険は、住基ネットに比して格段に高いと予測される。瀬川弁護士は、訴訟の中で、マイナンバーの問題点を徹底的に明らかにしていきたいと熱く訴えた。こ の手の裁判は、傍聴席をいっぱいにして、裁判官を、国民から監視されているので下手な判決は書けないという気持ちにさせなければならない。確かに、裁判傍 聴と支援が欠かせません。

  会社など法人に過剰な負担、マイナンバー増税に他ならない!
 2015年8月、労働組合・商工会・社会保障に関わる14団体で「マイナンバー制度反対連絡会」が結成された。事務局の橋口和彦さんは、会計士等から電 話を受け、マイナンバー実施で過剰負担となる実態を日々聞いている。日本共産党・池内さおり議員(参議院)も、100人規模の企業では、プライシー保護の ための初期投資に1千万円、維持・管理に400万円かかると公表された数字を挙げ、これでは「まさにマイナンバー増税に他ならない!」と批判の声を強め た。安倍政権の費用対効果の試算は「庶民の暮らしを一顧だにしない腹立たしい試算だ」と訴えた。

 私たちは憲法違反を連発する安倍政権に従う義務はない
「たいへんな事態だ。安倍政権はやりたい放題。民主的な政府だったらありえない。全てが本来、憲法上の問題だ」とキッパリ語るのは田島泰彦教授(上智 大)。法の実施前に、拡大利用の改正案を提出してくる政府だ。銀行口座への付番、予防検診への利用、消費増税における上限4千円の還付案、さらにNHKの 受信料徴収にマイナンバーを使う案などなどを打ち上げる。安倍政権はマイナンバー「個人番号カード」普及に躍起で、手段を択ばないやり方は節操がない。私 たちの憲法や民主的な考え方・価値からすれば、このような違憲性の高い措置を真剣に問わなければならない。どこまで私たちのプライバシーの権利を侵害して くるのか。安倍政権に対して私たちは仲間を広げて、胸を張って異議を申し立てていこう、と田島教授は高らかに訴えた。
札幌で市民活動を続ける水上さえさんも、「被害が誰にも及びかねないマイナンバー制。私の周りでもマイナンバーはムリってみんな思っている。ちゃんと知っ てもらえば、きっと市民的広がりになるはず。政治と暮らしの関係を問い直す機会にしたい」と市民目線でしなやかに語った。
 
以上、10月3日のSTOPマイナンバー集会アピール(一部)をお伝えしてきた。問題と危険の大きさをお伝えできただろうか。さらにここで大切なことは、では、私はこの問題とどう向い対応すればよいのか、というところだと思う。
 3日の集会を主催した「共通番号いらないネット」は、上の通りのリーフレット等を発行、webサイトやSNSを使って、多くの疑問や質問に答えている。 ともかくも、10月5日から簡易書留で送られる「通知カード」をどうするかだ。事務局の宮崎俊郎さんは、「通知カード」だけあれば充分、「個人番号カー ド」は申請しない、と集会参加者に提案している。会社や学校ぐるみで個人番号カードを「一括申請」する動きもあるようだが、マイナンバー制度の趣旨は、あ くまでも個人の意思に基づく本人申請にある。労働組合があれば、「一括申請しないよう」求めるのもよい。組合がない職場でも自分の思いは伝えることもでき る。さまざまな「抵抗」の形があるといえよう。家族との関係もあり、個々人が置かれた状況も異なる。「抵抗」の際に伴う不便さやプレッシャーは、例えば 「いらないネット」に確認する、学習会に出向く、仲間と共有するなどしていくと良いでしょう。
とりもなおさず、官民分野共通番号制度をごり押ししているのは安倍政権であり、世界的にみても例外。異論を唱える私たちは決して少数ではないと自覚して、先は長いかもしれないが、地道に活動を続けていきましょう。廃案を目指して!
            「共通番号いらないネット」⇒ http://www.bango-iranai.net/