がうす通信第31号(1998/06/08)

《六フッ化硫黄》の危険性、変電所が大量使用!


温暖化問題で通産省も電力に削減を指導 
《六フッ化硫黄》の危険性変電所が大量使用!

 六フッ化硫黄(SF6)は、常温では無色無臭のガスで、化学的に安定な化合物とのことであるが、データによると急性毒性物質・腐蝕性物質との特性が記されている。
すなわち、急性毒性を起こす危険性があり、皮膚や目に接触することで、不可逆的な損傷を起こす危険性がある物質(「日本化学工業会」の製品データによる)ということだ。
 SF6が高温になると五フッ化硫黄S2F10になると言われ、この毒性は極めて高くラットは10ppmでは1時間、1ppmでは16〜18時間の吸収で致死、フォスゲンよりも3〜20倍毒性が強い、と文献に見られる。
 SF6は毎年世界全体で5,000〜6,000トンが生産され、そのうちの80%が絶縁気体として変電所などで用いられている。化学的特性が変電所の高電圧回路の作動に適しているのが理由。このガスによって可燃性のために処理がむずかしい絶縁油が不必要になり、圧搾空気を使わないので、騒音のひどい関連装置も不必要、その結果、変電所の敷地面積が約10分の1に減少したという。
 このガスの寿命は32,00年というもので、二酸化炭素に対してその地球温暖化係数(GWP)は23,900倍となり、強力な温室効果ガスとしての指摘がある。大気中への放出量は年々増加している。
 この生産量は2010年には世界全体で年間1万トンに達すると予測されており、世界最大の生産会社アメリカのアライド・シグナル社も1989〜91年の間にその生産能力を50%増大させている。
 地球環境保全に関する関係閣僚会議の資料によれば日本での潜在排出量は2,200トンで、急速な伸びを示している。(電事連が公表している電気事業者の累計保有ガス量は1996年度末で6,000トンで、点検事等の漏洩総量は年間60数トン程度とされている) 仙台市の卸町変電所で96年6月に起きたのこのガスによる爆発事故では重症者が3名出ている(当通信19号)。急性毒性や酸素欠乏などで窒息の危険性もあるとのことである(群馬県では労働災害の報告)。
 このような大事故に至らずとも小事故での排出もあるだろう。抑えきれているとは考えられない。
 地球温暖化防止京都会議でもSF6は排出削減の対象として決定され、これを受けて、通産省も2月23日「産業界によるHFC等の排出抑制対策に係わる指針」を告示し、電力各社にSF6削減を指導し、今後の行動計画を促している。
 電事連では自主的な排出削減を表明しているが、新規代替ガス開発の目途はまったく立っていない。 
【数値等は「地球温暖化とオゾン層破壊」泉邦彦著、などを参照した。】