がうす通信第38号(1999/08/25)

高圧線問題全国ネットワーク99全国大会in湯河原宣言
強まるネットワーク・全国大会in湯河原開催

「電力会社は被曝の低減を」『ラピッド計画』が勧告 最終報告書6/15で
各地の住民運動
報道の内容


高圧線問題全国ネットワーク
99全国大会in湯河原宣言

 相変わらず不景気の世の中にも電力設備の建設は少しも衰えを見せていない。また携帯電話の普及により、その鉄塔建設や公共の場での迷惑など電磁波公害は蔓延の一途をたどっている。
 米でのラピッド最終報告は、電力会社は被曝を軽減するように勧告し「新しい危険性を作らないように送電線・配電線の回りの磁場の強度を減らす方法を探索し続けることを提案する」と述べている。日本の電力会社の圧力もプレスリリースの表現を和らげる効果しかなかったようである。
しかし、電力業界はこの公聴会に参加して意見を述べた以上、この重い『勧告』の意味を真摯に受けとめるべきである。
 福島県棚倉町で100万ボルト線敷設のための強制使用の裁定が収用委員会により下されたのに引続き、長野でも事業認定が申請されているが、電力設備を建設するための強制収用などは今後一切すべきではないことなど言うまでもないことである。
 大規模な発電が地球規模の環境破壊に結びついており、長距離送電が壮大な無駄になっている実態、さらに2千年問題では電力設備における大規模な事故も可能性が憂慮されている。このような弊害に加えて人権侵害の行為を平然と行なっている業界についてはその姿勢を根本的に変えていただかなければならないと考える。独占企業としての電力業界を電力自由化によって改善しようと動きは始められてはいるが、まだまだ不十分と言わなければならない。
 実際に私たちは今後自身の手によって大規模発送電から電気を受け取らなくてもよいようにクリーンで小規模なエネルギー源を作っていく試みも強力に進めていくつもりである。同様に携帯電話の鉄塔についても住民の意志を無視して建設されている。公共性もないものを近隣住民の合意もなく建設強行するなど許されないことである。
 日本でも科学技術庁により日本初の本格的な疫学調査が開始されるとのことだが、干渉を避けて、公正な報告がなされることを望むものである。
 私たち、本全国大会参加者一同は全国の仲間の意志を代表して、電力会社、携帯電話事業者そして国・省庁がこれまでの姿勢を転換し、居住者に対する電磁波の被曝低減の具体的作業に入るよう、強く求める。

1999・7・11
高圧線問題全国ネットワーク 99全国大会参加者一同


強まるネットワーク・全国大会in湯河原開催
7/10〜11(全文)

 7月10日と11日の2日間にわたり99年全国大会が神奈川県湯河原で予定通り開催された。会場の湯河原厚生年金会館には現地と日本各地から約200名が集まり、基調講演に始まり各地からの報告、分科会、そして総会、といったスケジュールを滞りなく終えることができた。
 開会にあたり地元「電磁波被曝から命と健康を守る会」世話人代表の三宅保幸さんから「全国からの参加者が感動と勇気を与えてくれて明日からの第一歩を踏み出すための大きな原動力となることを希望します」とあいさつ。
 講演では京都大学工学部の荻野晃也博士が最近の米のラピッド最終報告の意味などについて解説、特にその「結論、勧告」の部分では、電力会社に被曝の低減を勧告していることが、それらにいたる経緯などについて詳しく話された。
 これを忠実に解釈し、欧米と同様の民主主義社会であるなら電力会社などが今後、「絶対安全、建設強行」という態度は取れないことになるだろう。
 司会も務めた船瀬俊介さんからは、「送電線のいらないエネルギー」とのテーマでお話いただき、燃料電池の提案もあった。
 今年8月から始められる予定の科学技術庁の疫学調査について、調査推進委員会の市民代表であった深沢さんから報告、これに期待していいものなのかどうかなどが大会で議論された。
 市民自らが新しいエネルギー作りの主体になっていく方向性や、欧米型の資金調達による、強いネットワーク組織作りの提案なども行なわれ、ネットワーク運営や運動方針に関してこれまでになく数多くの前向きで新しい提案が出された。そうした内容も込めた大会宣言を採択した。


「電力会社は被曝の低減を」
『ラピッド計画』が勧告 最終報告書6/15で

 長年にわたり待たれていた米の大規模電磁場調査『ラピッド計画』の最終報告が6月15日米議会に提出された。記者発表での表現は「関連は弱い」となり、日本での報道もそこまでであったが、報告書の本文で核心部分はこの通り《電力会社に被曝の軽減の努力を勧告》する内容であり、大きな意味のあると言える結論・勧告になっている。

積極的に規制行為をするほど十分な事実認定は出来なかった。
しかし米国民すべてが実際に電気を使用し被曝を受けているので、間接的な規制行動、例えば国民や規制当局が被曝低減を目的とするような教育をし続けるように支援されるべきである。
電力会社は被曝を軽減するよう電力線用地を選定する現在の施策を継続して行なうべきであり、また、新たな危険を作り出すことなく送電線・配電線周辺の磁場発生を軽減する手段の開発を継続して行なうべきであるということを提案する。

各地の住民運動


報道の内容(抜粋)概要

ニュース
ソース
記事
毎日新聞(06/16) 《電磁波は白血病の原因?かかる率2〜4.5倍 トロント大調査》
カナダのトロント大の研究グループは15日、電磁波被ばくの大きい家屋に住む子供は、そうでない子供より白血病にかかる率が2〜4.5倍高いとする疫学調査結果を発表した。
読売福島版・他各紙にも(06/19)

《棚倉・100万ボルト超高圧送電線、東電、架線工事を開始、トラスト会員が抗議行動》
100万ボルト送電線・南いわき幹線で未着工となっていた、東白川郡棚倉町を通る約1キロ区間で、東電が電線を張る工事を始めた。送電は7月17日に予定。「地権者の会」では現地で集会を開き、工事の中止などを求める抗議文を、東電棚倉事務所に手渡した。

読売新聞
(06/24)

《送電線の電磁波がん発生の一因 米研究所が報告》
NIEHSが電磁波と白血病の発生にはごく弱い相関関係がある、と報告書をまとめた。

朝日新聞
(07/01)

《ペースメーカーの患者さんご用心、金属探知機で痛みも、厚生省注意》
厚生省は30日「医薬品等安全性情報」で全国の医療機関に注意を呼びかけた。小売店などの出入り口に設置されている万引き防止監視システムや空港などで使用されている金属探知機がペースメーカーなどに影響する可能性がある、としている。(がうす通信35号に米での事故などについて記載)

環境新聞
(07/07)

《電磁波障害を追って》
第一回携帯電話(上)(以後4週シリーズ)

週刊金曜日
(07/09)

《電磁波「ラピッド計画・最終報告書」の正しい読み方》
米としては「電力会社に電磁場被曝の軽減する努力の勧告」がされていることを紹介。

スポーツ報知
(07/09)

《引っ越しカルガモなぜ今年はいない?携帯電話が出す電磁波の影響かも》
携帯電話タワーアンテナが鳥などへの影響、との報告など全面記事で。

サンデー毎日
(07/11)

《川端康成は「電磁波自殺」だった》
主治医であった栗原雅直さんが証言、「電気毛布使用によるうつ状態が自殺の引き金だった。」

朝日新聞
(07/22)

《機内でケータイ切らず実刑、英国28歳男性懲役1年・ロンドン》
飛行中の航空機内で携帯電話のスイッチを切ることを拒んだ男性が21日、英国マンチェスターの裁判所で、懲役1年の実刑判決を言い渡された。同市に住む石油採掘会社で働くニール・ホワイトハウス被告(28)。昨年9月、マドリードからマンチェスターに向かうブリティッシュ・エアウェイズ(BA)のボーイング737機で、「パイロットや乗員の要請をかたくなに拒否した」と訴追されていた。同機には約90人の乗客が乗っていた。裁判所は「(携帯電話が航行システムに影響して)航空機が危険な状態になる可能性があった。ごう慢きわまる態度だ」と判定し、罰金刑ですまされるべきだと唱える弁護側の主張をしりぞけた。(記事全文)

NHK/BS
(07/22)

《携帯電話は安全か》
ワールドリポートで25分の特集。

共同
(07/24)

《機内で「携帯」日本人を逮捕、台北、航空法違反容疑》
台北国際空港警察は23日羽田から台北に向かっていた旅客機内で、乗務員の制止を無視して携帯電話を使用した群馬県の会社員(54)を民間航空法違反容疑で逮捕し、桃園地検に送った。空港警察によると、この会社員は同日朝、羽田を出発した中華航空機に搭乗。離陸後に携帯電話がかかった。日本人乗務員が使用をやめるよう制止したが聞かず、今度は自分から電話をかけた。(全文)

環境新聞
(07/28)

《リニア計画の遅れで環境集落造成暗礁に》
山梨県土地開発公社の進めている環境に配慮(?)した集落の宅地造成事業計画が、リニア実験線一般区間の建設計画が煮詰まらず、事業計画が宙に浮いている。「境川分譲宅地造成事業」は、リニア実験線のトンネル残土で、東八代郡境川村の沢を埋め立てて宅地造成し、10.5ヘクタールに365区画を分譲する予定だった。ところが、先ごろ開かれた自民党リニア中央エキスプレス建設促進議員連盟、運輸省、JR東海による会合で、トンネル工事など基盤施設着工まで詰めるには至らなかった。同公社では「リニアの残土が出てこないことにはどうしようもない」としている。今後、一般区画のルート地域の4町村や県が、国などに早期着工を要望していく。

毎日新聞
(08/02)

《電磁波、石川県が研究開始、地場産業・技術生かし、計測や防護素材開発》
石川県が7月から国の科学技術振興調整費3億円を使い、電力設備周辺の電磁波計測やコンピューターの誤作動防止のための繊維を使った防護材の開発などに取り組む。

毎日新聞
(08/05)

《家庭で発電、熱は暖房・給湯に、東ガスが試験運転、年間光熱費19%節約、2年後導入目指し》
次世代の家庭用発電システムとして期待される家庭用燃料電池コージェネレーション(熱電供給)の実証運転が東京ガス(東京都港区)で行なわれている。モデルハウスに家電製品などを設置して、使い勝手やエネルギーの節約効果を検証するねらいで、2年後に家庭で試験的に使えるようにしたいという。東ガスは小型化・低コスト化を優先したタイプと、都市ガスから水素だけを取り出す純水素型の2種類を開発し組み合わせた。小型タイプを使ったシステムでは1キロワット、純水素型では5キロワット相当の発電ができる。これらを使うと、火力発電所から供給される電力を利用し、ガス湯沸かし器で給湯する場合と比べ、燃料の消費量は21%も少なくて済む。二酸化炭素排出量は27%、窒素酸化物排出量も66%減り、年間光熱費も19%削減される計算。