埼玉県北本市では2つの小学校が高圧線下にあることで学童保育の父母らが子どもたちの健康を心配し、その働きかけにより市の社会課が東京電力に依頼、8月20日に電磁場の計測が行なわれた。
 昨年、北本市父母の有志が学童保育施設及び環境の改善のために電磁波に関する調査を求める要望書を提出していたもので当日は市役所社会課の職員、 中丸東小学校、東小学校の2校の校長、教育委員会の委員も参加立ち会った。
6万6千ボルト線(埼上線)の真横にある東小学校での測定結果は、校舎4階の教室で最大7.8mG、その位置の1階で5.6mGあり、校舎内で最も高圧線から離れている位置にあるトイレ内でも0.8mGあった。また学童児がよく遊んでいる庭や路上においても3〜4mGあ北本市を通る15万4千V線下の中丸東学通り、1日10時間近く、1mG〜6mGの磁場を浴び続けていることになる。
 また、15万4千ボルト線(東埼玉線)の下にある中丸東学童保育室で1.4mG、隣の中丸東小学校でも0.4mGが計測された。
 東埼上線ではこの時点で流されていた電流の量が少なかったもので、もっと多く流れることもありえる。その場合には小学校地点の直下の磁場は計算上12mGとなる、ということが明らかにされた。
 これらの結果をふまえ、父母の有志は、ラピッド最終報告など海外の研究などを含む多くの資料を添付し、北本市の社会課、教育委員会、に対して、上記2校の送電線に近い教室を空き教室にすることや、学童達への被曝低減への配慮、将来的には鉄塔または学童保育所の移転などについても盛り込んだ以下のような要望書を10月4日提出している。

がうす通信第39号(1999/10/15)

【埼玉】北本市、線下の小学校電磁場調査、校長、教育委員会も立ち会い
【北海道】電車内はスイッチOFF!札幌市当局がポスター、地下鉄全線に掲示
科技庁疫学調査を公正に!ガウスネットが申入れ
新聞・週刊誌等の報道


【埼玉】北本市、線下の小学校電磁場調査、
校長、教育委員会も立ち会い



























【北海道】電車内はスイッチOFF!
札幌市当局がポスター、地下鉄全線に掲示

 電車内での携帯電話の使用については「迷惑になることもあるので」という理由でのみ「ご遠慮」を呼びかけるアナウンスが行なわれているが無視されている現状がある。
 ペースメーカー使用者の不安の声は中々実現されていなかったが、日本心臓ペースメーカー友の会の札幌支部が昨年来札幌市当局に対して再三「人ごみの中では通話を控えるだけでなく電源も切ってほしい」と交渉を重ねた結果、北海道新聞がこのことを記事にし、これによって市当局もようやく動いた。下のように「車内ではスイッチOFF!」のポスターが今年の4月から地下鉄全線の車内に一斉に掲示された。ベースがクリーム色で原色カラーの目立つポスターである。
 友の会札幌支部としては更に一歩進めて「・・・電磁波がペースメーカーに誤作動を起こす危険性が有りますので、電源を切るよう協力願いたい・・・」旨の車内放送に切り替え、聴覚に訴えての更なる要請をする予定である、とのこと。
【日本心臓ペースメーカー友の会発行『かていてる』9月号より】


科技庁疫学調査を公正に!ガウスネットが申入れ

 内閣改造で新しい大臣が就任した当日の10月5日、私たち4名で科技庁に出向き高圧線問題全国ネットワーク名で担当のライフサイエンス課へ下の申し入れを行なった。公正なものとなるようネットワークとしても監視していきたいところ。

申し入れ書

科学技術庁長官中曽根弘文殿 

「生活環境中の電磁界の健康影響評価と安全対策に関する調査委員会」
委員長高久史麿殿

 このほど、科学技術庁では、高圧線などの電磁場(電磁界)の人体への影響を検証するための疫学調査をついに開始するとのことです。これ自身については、私たちが長年待ち望んできたことでありますので、一つの方向性として歓迎し、大いに期待もしております。
 私たち、住民の立場としては、これまでの各国の疫学調査の経緯から見て、やはり後々でその信憑性が問われることのないようなものが進められ、誰にも納得がされ、これを基本にこれからの電力供給の考え方が作られるようになっていただきたいとひたすら願うものです。
 公正で中立な誰からの干渉も受けない、調査が実施されることを第一に望みます。
そのためには調査の方法、途中の報告や会議の公開が必要だと思われます。
 過程は公開されないという話しも聞きましたが、それで、公正・中立が保証されるのでしょうか。
 私たちがどうしても懸念せざるをえないのは、事業者側の干渉です。電力側は先般のラピッドプログラムにおける米国立環境衛生科学研究所の調査についてもその報告の過程で内容に意見を述べています。原子力の利用に関することでも電力9社と科学技術庁との結びつきは強いものと思われることから、私たち住民の側からそれら干渉が全くないことを常に確認することが出来るような体制が必要です。このことは他の各省庁の方々についても同様のことが言えます。具体的には調査にあたる委員への要望や関わりは全て公開されるのでなければならず、事業者及び省庁の関係者が調査委員に個別にアプローチすることは一切禁止とすべきです。
 こうした原則を調査委員の方々は充分に留意していただき、干渉されないことを明確に表明していただきたく思っております。


−記−

  1. 今回の日本における疫学調査が公正、中立に行なわれ、出された結果の取り扱いにおいて、国民が安心して暮らせる生活環境を守るためのものであること。
  2. そのために、調査の方法、途上での会議や報告の各段階を公開すること。
  3. 調査委員に対する、調査期間中の省庁関係者及び電力事業者による個別アプローチを禁止すること。
以上要望し申し入れ致します。
1999年10月5日


新聞・週刊誌等の報道 (見出しと内容の抜粋、一部全文)

ニュース
ソース
記事
産経新聞
(09/02)
《ぎもん解凍、電磁波<上>
「有害」「無害」議論真っ二つ、海外で調査高圧線周辺で小児白血病発生率高い》
(9月9日に<下>)
毎日新聞投書
(09/04)
《歓迎!満員電車の携帯自粛要請、会社員・芹川誠治54(広島市西区)》
近畿行政監察局はJR西日本に、満員電車内での携帯電話を「ご遠慮ください」か電源を切ってください」と呼びかけるように要請するという。
これまでは「控えめに」と呼びかけていたが、心臓ペースメーカー装着の男性から行政監察局に「不安だ」と訴えられたのがきっかけとか。私自身難聴で、2年前に右耳の内耳に電極を埋め込んだ。だが、人口内耳に電磁波は禁物で、空港の金属探知機やMRI(核磁気共鳴画像化装置)、携帯電話などは避けないといけない。電磁波にさらされると人口内耳が破壊される恐れがあるからだ。手術費用を含めて400万円もかけたのが、一瞬でパーとなり、しかも回復した聴覚も駄目になるので、人工内耳装着者にとって、電磁波障害対策は切実な問題だ。それだけに近畿行政監察局がJR西日本に満員電車の中での携帯電話の自粛を呼びかけるよう要請したのは大歓迎だ。(全文)
毎日新聞
(09/04)
《リニア緊急停車・山梨実験線、冷却剤が流出》
先月5日、リニアモーターカー山梨実験線の超伝導コイルを結ぶステンレス配電管に亀裂が入り、冷却剤の液体ヘリウムが流出し、緊急停車するトラブルが発生していた。5日午後2時50分ごろ、3両編成のリニアが走行中、都留市のトンネル内で緊急ブレーキが作動し、停車した。調べたところ、先頭車両後部の右側側面下に設置された超伝導コイルを結ぶステンレス製配管(直径3センチ)の厚さ4.5ミリの継ぎ手溶接部分に長さ約1センチの亀裂が入っていた。超伝導コイルはステンレス製内槽容器に包んだうえ、アルミ容器に収められているが、コイルを超伝導状態にするためマイナス269度の液体ヘリウムが内槽容器内に流されており、低温を保つためステンレス製配管で両コイルを結んでいる。今回は、亀裂からアルミ容器内に液体ヘリウムが流出したため、温度が上昇、超伝導状態が中断して緊急停車した。(要約)
朝日新聞
(09/07)
《携帯電話に戦々恐々》
[ペースメーカー]満員電車かばんで「防護」、
[航空機]計器に異常「あり得る」、
[給油スタンド]「着火の可能性」禁止の動き拡大。
郵政省「影響ない」科技庁疫学調査へ。(見出しのみ)
産経新聞
(09/09)
《ぎもん解凍、電磁波<下>ラットの骨代謝に影響、有害・無害論争は決着つかず、国が初の大規模調査へ》
電気学会主催のシンポジウムで近畿大学の武部啓教授が4,000ガウス・24時間でもDNAの損傷などは起こらなかった、と発表。7月に大阪で開催された日本骨代謝学会では科学技術庁放射線医学総合研究所国際宇宙放射線医学研究センターのユニットリーダー、福田俊研究員が宇宙飛行士の職業病ともいえる骨粗しょう症を調べる実験の過程で、電磁波の意外な有害性を発見した。ラットを生活中で浴びるレベルの超低周波の電磁場(100ミリガウス、50−60ヘルツ。※記事ではミリが抜けて単に100ガウスとなっているが誤り)にさらしたところ、骨重量、体重ともに著しく影響を受けたというものだ。実験は、生後2カ月の成長ざかりのラット(体重百グラム)に連続して電磁波をあてる曝露群(15匹)と全くあてない非曝露群(同)に分け、1カ月、2カ月、3カ月と経過をみた。結果、非曝露群では体重が1カ月後に41%、2カ月後に49%、3カ月後に54%と順調に増加したのに対し、曝露群では同1%、25%、27%しか増えなかった。
また、骨重量(全体重に対する骨の重さ)を調べたところ、3カ月後に非曝露群では20.75%の伸びだったのに対し、曝露群では15.67%だった。福田研究員は、成長途上の最も数値に影響が出やすいラットを用いたうえ、食事以外の時間はすべて磁場にさらした。この実験が即、人体への影響を反映するかという議論はできないが、超低周波の電磁場が生体に何らかの影響を持つことは明らか」と語る。
(以下、ラピッド報告の紹介、電力中央研究所の「無害」のコメント、懸樋のコメント、そして、科技庁の調査についての紹介などが記されているが省略。)
消費者リポート   (09/17)           《電流によるガソリン引火、対応見送りを決めた石油連盟の姿勢を問う、ジャーナリスト西村智巳》
携帯電話やPHSをガソリンスタンドで使用すると爆発の危険性が−。この衝撃的な事態に対し、
石油元売の団体である石油連盟は7月、石油業界全体での統一対応を見送った。この理由として
@国内に事故の事例がない。海外でもインドネシアなど一部の国にしか事例がなく携帯電話が原因かは、はっきりしない。
A自治省・消防庁の指導がない。自治体の消防署でも大阪の例などをのぞき指導例がない。
B携帯電話の対応もばらつきがある。
Cすでに石油元売各社では先行して対応しており、連盟で改めて対応する理由がない。などをあげている。(以下略)
朝日新聞
湘南版
(09/17)
《電磁波公害の懸念訴え》
東電変電所建設反対運動丸1年で冊子、湯河原「命と健康を守る住民の会」独自測定のマップ添付。
毎日新聞投書
(09/29)
《携帯電話の使用制限もっと厳しく》無職 島田 遼 76(東京都世田谷区)
「電話やめなさい。車内には心臓ペースメーカーの人もいるんだ!」。
都バスで思わず大声でどなってしまった。営業マンらしき青年で、携帯電話を3個使っている。車内アナウンスで定期的な警告があったが、全くの無視だ。私は心筋梗塞、老妻は完全ブロックでペースメーカーを付けている。
妻は車内では携帯の電波被害を少しでも受けないように胸を押さえているが、時には下車してしまう。青年の肩をたたいて注意したが無視され、心ならずも大声を発したわけだが、青年は携帯電話を使い続けた。仕事のためとはいえ、身も心も携帯に奪われている姿を見た。電車やバスでは携帯の使用は控えるように放送しているが、あまり効き目がない。ぜひ、人が集まるところでは携帯の電源を切るようにしてもらいたいし、交通機関などはもっと強く携帯の使用制限を訴えてほしい。
週刊金曜日
(10/01)
99年ケータイ天国電磁波地獄、28社に聞く「携帯電話の電磁波は安全ですか?」ほか
生活と自治
(10/01)
電磁波問題「電力会社は被曝を軽減する対策を」などの勧告(ラピッド計画最終報告書)が出る。
毎日新聞投書
(10/06)
《携帯禁止の理由もっとPRして》高校生 片山涼子 19(栃木県矢板市)
9月29日本欄の「携帯電話の使用制限もっと厳しくして」を読み、電車やバス内での携帯使用禁止の理由を初めて知りました。今までは「話し声が迷惑になるからかな」と思う程度で、電波により、命にかかわる被害を受ける人もいるなどとは思いもしませんでした。しかし、携帯使用禁止の真の理由を知る人がどれほどいるでしょうか。それを知らないために、少しなら大丈夫と思い、使用してしまう人が多いのが現実と思います。規則があふれる世の中で、私たちは、少しくらいの違反には慣れっこになってしまっています。若者の間には「規則を破ることがカッコイイ」とする風潮さえあります。規則が守られるためには、もう少し努力がなされるべきです。電車内の中づり広告のスペースに携帯禁止の理由を掲げるなど、できることはたくさんあるはずです。一方的に規則を押しつけないでほしいと思います。