がうす通信第49号(2001/06/01)

【名古屋】高さ200mのデジタルタワー


【名古屋】高さ200mのデジタルタワ−
      東山公園での建設計画は中止に!

 名古屋の東山公園地区に、新しいテレビ塔の建設計画が昨年末、明らかになった。2003年末に始まる予定の地上デジタル放送に合わせて、全国でこれまでのテレビ塔にデ ジタル放送のアンテナが設置されることになっているが、名古屋では専用に新たな鉄塔が 建設されるということだった。タワーの電波を使用するのは、日本放送協会名古屋放送局、中部日本放送、東海テレビ、 名古屋テレビ放送、中京テレビ放送、テレビ愛知、の6局。これに対して地域住民は、「東山公園地区デジタルタワ−建設を考える会」を結成し 事業者らに説明会を開くよう要求する一方、学習会を開催し署名活動や市議会への働きか けなどの反対運動を起こした。考える会は25,523名の請願署名を名古屋市宛に提出、これについて市議会で議論 された。その結果5月28日、名古屋市は都市公園法の規制等を理由に東山公園地区において、 デジタル放送用タワーの建設を認めないという結論を出した。  

経緯

 住民グループと町内会では、要請により3月24日に第一回説明会を開催させたが、 その直後にCBC放送はデジタル放送特集番組を企画して、デジタル放送の意義を強調し た上、放送事業者側の調べた自然環境調査や電磁波調査からタワ−建設は全く問題ない、 早期に建設に取りかからないと名古屋は世界に取り残される、という内容の放送を流すな どしていた。4月14日に予定されていた説明会は、担当する局が、「特定の団体には説明会は開か ない」として拒否したため「考える会」ではこれを学習会に変えて約100名を集め、都 市公園の問題や、自然環境の問題、そして電磁波問題を学習し今後の方針などを討議した。予定地は名古屋市の所有地であるので、市の態度が注目されていたが、市が建設を認め ないという判断をしたことでデジタルタワー建設はここにはできないことが確定したものである。首都圏の場合では秋葉原や多摩市、新宿高層ビルなどの候補地が上がっていたが、いず れも時間切れで、とりあえず東京タワ−にデジタル放送用の設備を作ることになっている。

放送のデジタル化はなにをもたらすのか

 2000年12月からBSデジタル放送が開始された。NHKではデジタルハイビジョ ン、デジタル衛星第1、第2、の3つが放送している。  放送事業者のいうデジタルのメリットとは、情報の圧縮、加工、蓄積が自由にできる、 情報は、デジタル加工によって同時に大量にしかも劣化することなく送受信することがで きる、また、インタ−ネットとの融合で、さまざまな情報、サ−ビスが受けられるように なる、ということである。一方、社会への懸念としてNHKも次のようなデメリットも表明している。新しいメディアの登場や情報端末の高機能化は、さまざまな情報をはんらんさせ、その 結果、利用者が自分の必要とする情報になかなかたどりつけないような事態。人気の集中 するソフトばかりが放送され、チャンネルの数が増えても選択の幅は必ずしも広がらないということも起こる。経済的な余裕がないために、あるいはデジタル機器の操作が苦手な ために、情報社会から取り残されるデジタルデバイド(情報格差)、その解消も大きな社会問題になっている。