がうす通信第50号(2001/08/06)

高圧線下「4mGで小児白血病リスク」
IARC・国際がん研究機関が結論


高圧線下「4mGで小児白血病リスク」
IARC・国際がん研究機関が結論

【以下はプレスリリース全文の訳】
 国際がん研究機関(IARC)の「モノグラフ・プログラム」(Monographs Programme)の専門科学者からなるワーキンググループは静磁場と超低周波(ELF)電場と磁場の健康影響調査の結論を出した。この電磁場は地球の磁場を含め、送電線、ビルの電気配線、および電気器具からも生じている。磁場はマイクロテスラの単位で測定される; 皆がさらされている地球の静磁場は赤道付近では25、極地では65マイクロテスラと場所により異なっている。健康影響に関するほとんどの研究が超低周波磁場で50Hzか60Hzの周波数帯について行われた。
 1979年に出た最初の報告書では、小児ガンと居住空間での電磁場の被曝の関連が示唆された。それ以来、超低周波磁場の被曝によって子どもや大人が癌になるリスクが増加するかどうかを調べるために、多くの国で様々な研究がなされてきた。白血病と脳腫瘍が特に注目され、初期の研究ではそのリスクの増加が示唆されていた。IARCはこの度、居住空間での磁場から高いレベルで被曝することと小児白血病のリスクが倍増するということの間には統計的に一貫した関連性があるという点に基いて、人間にとって超低周波磁場は発癌の原因になりえると結論を下した。超低周波磁場にさらされているところに居住する子供について0.4マイクロテスラ(4ミリガウス)未満では白血病のリスクはまったく増加しない。静磁場と超低周波の静電場を人間への発癌性リスクとして分類することは、データが不十分であったために、できなかった。
 しかしながら、慎重になされた多くの研究からのデータを統合して分析すると、電力周波数(50Hzか60Hz)の居住地での超低周波磁場強度が0.4マイクロテスラを超えると小児白血病のリスクが倍増するということには、統計的に一貫した関連性が強く見出されている。
 それとは対照的に、子どもが受ける超低周波電場と磁場からの被曝と脳腫瘍や他の種類の明白な腫瘍との関連を示す、一貫した証拠は何ら見出せなかった。大人の場合でも、居住地でも職場でも超低周波磁場の被曝がどんな種類の癌にせよそのリスクを増加させるという一貫した証拠は見出せなかったのである。
 動物実験での研究では、超低周波磁場の被曝が一貫した発癌性または発癌類似性をもたらしていることを示すことはできなかった。居住地での超低周波磁場被曝と小児白血病のリスク増加の関連が観測されたわけだが、そのことの科学的なメカニズムの説明はまだつけられていない。
 高周波電磁場(その電磁波の発生源はラジオやテレビの送信タワー、携帯電話、レーダーなど)の健康影響については、IARCワーキンググループによる評価作業はなされなかった。高周波被曝に関しては、現在進行中のIARCのモノグラフ・プログラムの研究が2005年頃に公表される際に、評価が下されることになる。■
原文のアドレスは http://www.iarc.fr/pageroot/PRELEASES/pr136a.html

【IARC・国際ガン研究機関とは、WHOの機関で、有害化学物質や放射線などの発ガン性についてそのリスクを評価し、ランク付けするなどしている。米のラピッド報告もこのIARCのランクで低周波電磁波の発ガン性をグループ2Bと分類した。】