がうす通信第52号(2001/12/08)

東京タワー調査報告
重大な電磁波公害「電灯線インターネット」
電磁波を抑えたホットカーペット・電気毛布


東京タワー調査報告

 「電磁波プロジェクト」ではこの約半年東京タワ−の電磁波について計測調査を行ってきた。海外での放送タワ−もその健康影響について様々な問題になっており、規制も強化されつつある。また、携帯電話の急激な普及が電磁波による健康影響を引き起こしていることも懸念されることから、高周波の強い電波を長年発生させてきた東京タワ−を調べることで何かが判明することを期待したものである。
 「電磁波プロジェクト」は昨年夏から、「科学と社会を考える土曜講座」(代表:上田昌文)の呼びかけでガウスネットが協力し、主に学生らを中心とした学習グループとして発足して電磁波問題の学習や翻訳活動などを行ってきた。6月には「ザルツブルク国際会議議事録」の翻訳も完成させている。
 今回の東京タワ−の調査もおよそ4カ月にわたり、255地点の計測、港区保健所、港区役所、都庁での人口動態の資料の調査などを行い、これをまとめながら、かつ英やオーストラリア、米での放送タワ−の疫学調査との比較検討も行った。
 8月の熱い盛りに女子学生を含む6人が重いスペクトルアナライザ−を用いて計測したり、区役所や都庁で厚い統計文書の中から、出生の統計のための資料を拾い出したりしてきた。
 最終的には健康影響を白血病や出生性比などの疫学調査として行うことを目指したが、白血病やがん、その他の疾病のデ−タについては、役所での統計では死亡数があるのみで、それも居住地までは特定できず、罹患状況が把握できなかったことから行きづまったということもある。そのため、市民レベルでできる最大限の成果を、として、計測した数値をグラフ化し、距離と方向で強度の傾向を見、海外の疫学調査とこれを比較してリスクを推定する、諸外国の規制動向と比較検討、などをまとめることとなった。
 そして10月27日には東京理科大学にて報告発表を行った。調査には10数人のプロジェクトメンバ−が関わってきたが、最も計測調査に歩いた上田、懸樋、学生2名の計4人が発表した。
 英などの疫学レポートでは白血病などのデータは揃っており、日本にくらべて情報がオ−プンになっている。これらの調査の中での電磁波強度でどれほどのリスクがあったかで東京タワー周辺のリスクを推定できる。豪シドニー北部、英サットンコールドフィールド、米サンフランシスコの3つの疫学調査との比較表が完成している。また欧米で採用されつつある「予防原則」の考え方についてまとめ、行動指針の例なども紹介している。そして、各国の規制状況に対して計測値が上回っている現状などについても紹介した。
当通信では載せきれないのでこれを圧縮して以下5ペ−ジほどにしてみた。
 発表の中では、高周波電磁波の計測器を使って、実際に携帯電話の計測もやってみた。2台の携帯電話でのやりとりで、メ−ルのやりとりでもかなりの電磁波が発生していることも確かめられた。
 東京タワーの電磁波についてリスクが認知されていない中で、回避する行動が取られにくい。しかし子どもが長時間過ごす学校・幼稚園・保育園などの施設への配慮だけは最低限望まれる。などを対策のために提案した。

【詳しくは報告資料をご覧ください。A4で40ペ−ジ、送料込みで1部500円
申し込みは科学と社会を考える土曜講座まで。報告資料は発表会での資料です。現在「報告書」作成中ですのでご期待ください。】


重大な電磁波公害「電灯線インターネット」

 「コンセントにつなぐだけで高速インターネットが楽しめる」

 いま政府は、経済団体や電力・電機産業界などの要望を受けて、電力線・電灯線に高周波信号を乗せてインターネットなどの通信搬送路として利用する「電力線搬送通信」(電灯線インターネット)についての電波法の規制を緩和を検討している。使用する周波数帯域の上限を450kHzから30MHzに引き上げ、漏れ電界の許容値を米国並に引き上げる、というものである。
「電灯線インターネット」のメリットは、電源コードのみでパーソナル・コンピュータをネットワークに繋ぐことが可能になることにあり、家庭内の複数のパーソナル・コンピュータや情報家電同士のネットワーク(LAN)、さらに電力会社の保有する光ファイバ網と一般家庭を接続する通信媒体として有望だと言われている。(社)関西経済連合会など業界団体の要求の要旨は「現行の規定では、電力線搬送通信は450kHzを超える周波数帯については認められていないが、450kHz以上、特に2MHz以上の周波数帯域の使用を認めて欲しい。」というもの。しかし総務省(総合通信基盤局電波部電波環境課)としては「450kHzを超える周波数帯は、放送その他の無線業務に利用されており、不要な電波が漏洩し、これらに妨害を与える恐れがあるため上限を450kHzとしている。」として検討中との姿勢である。

 しかし、メリットばかりではない。450kHzを超える周波数帯は、放送その他の無線業務に利用されており、特に、30MHzまでの短波帯は、電離層反射を利用しているため、大がかりな設備なしに国際間での放送・通信を利用できる特性があり、衛星放送・衛星通信が普及してきている今日でも、国際放送、航空・海洋・アマチュア局などの多くの通信がこの短波帯を使って行われている。学術的に重要な意味を持つ木星電波観測などの電波天文でもこの短波帯が利用されている。電力線搬送通信の規制緩和は、これらの放送・通信・電波天文などに少なからぬ混信・妨害を与え、その利用を困難にするおそれがある。
 さらに、電力線搬送通信の漏洩電波は、医療機関や家庭で使用される医療機器等の誤動作など、生命の安全に関わる問題を引き起こすことも懸念されている。 日本の電線は空中高く電柱に上がっている。欧米では地中に配線されているところがある。アンテナのことは空中線というが、電線は短波帯では効率の良いアンテナとなり電磁波が撒き散らされる。電力線搬送通信は、すでにフィンランド政府では電磁波漏洩が避けられないとして不許可としており、NATO深刻な懸念を表明している。
 この規制緩和の動きに対して短波放送リスナー、アマチュア無線家、医師、電波天文研究者など参加する「電波環境を考える市民ネットワーク」がインターネットを通じて提携して反対運動を進めている。
http://www.geocities.co.jp/Technopolis-Mars/7270/
 参院選での候補者に対して「電灯線インターネット」に関するアンケート結果や電力線搬送波通信によって生じる漏洩電界の影響と近隣の無線局によって電力線が受ける影響を調査するための 実験計画 もあり、さまざまな無線関係者さえ懸念の声を上げていることをこのサイトで見ることができる。 【ネットワークの呼びかけによりこれらのサイトをまとめさせていただきました。】


電磁波を抑えたホットカーペット・電気毛布