がうす通信第65号(2004/02/12)


  

「骨伝達携帯電話は危険!」 有泉さんコメント

ツーカーセルラー東京、関西、東海のグループ3社は騒音のある場所でも相手の声が聴き取りやすい「骨伝導方式」の世界初の携帯電話機「TS41」(三洋電機製)を発売している。
 この機種は、通常のスピーカーとは別に、頭がい骨などを通じて聴覚器官に音を振動として伝える事ができる方式で、相手の声が聴き取りにくい駅や繁華街などにぎやかな場所でも聴き取りやすくなるというもの。【盛んにCMを流し、世界初だと称して売られているこの骨伝達方式の携帯電話について山梨大学大学院医学工学総合研究部講師の有泉均さんにコメントいただいた。】                                            

長期的な動物実験などで安全性を確認すべき

音声の伝達方法は空気伝達が基本ですが、自分の発声した音は口腔内の音圧変化を周辺の骨が伝える骨伝導が含まれます。骨伝導は空気伝達より高速で高周波を含むので明瞭な音となります。この点を利用しようとしているのが骨伝導型のケイタイ電話だと思います。
 さて、問題点は大変重要です。障害を持っているなどやむをえない人を除いて、行ってはならないと思います。頭部の骨(主として頭蓋骨)は大脳などを保護するのが目的で、これに外部からショックを与えたり、振動を与えるのは基本的に厳禁です。継続的な振動を与えることにより、大脳と頭蓋骨との間に隙間が広がってしまい、大脳自身が振動に敏感になり、憂慮すべき状態を引き起こすおそれがあると思われます。先ず、長期的な動物実験などで安全性を確認すべきです。仮に、自分の発声振動と同じレベルの非常に弱い振動を与えることができても、通常の会話音より音質が異なりますので、大脳の聴覚機能が違和感を覚え、自分の発声音以外にも、新しい処理方法を学習しなければならず、負担になります。
 また、すでにわかっていることですが、脳波による聴覚機能の結果では、音の入力は耳だけでは有りません。(これはDVDの高性能音響機能の根拠になっている)繰り返しますが、障害を持っているなどやむをえない人を除いて、自然の状態(空気伝達)で音声会話は進めるべきです。

ドイツ テレビ放送で『携帯電話スモッグ』

 <あるリズムでの電磁波照射で染色体が破損> 

ドイツの放送局ARD(日本のNHKに相当)で昨年9月、特集「携帯電話でスモッグ」が放映された。ドイツでの研究、基地局の反対運動、そして電磁波過敏症についても紹介されている。その概要を以下にまとめる。

たいまつを持った人たちがデモ行進している。携帯電話基地局に反対する人たちだ。ドイツでは6000万人が携帯電話を利用している。
 電磁波過敏症を訴える女性、以前教師をしていたが体調が悪化し退職した。バイエルンにある病院では様々な過敏症患者の治療に取り組んでいる。
 シュッツ(Sch?tz)博士:携帯電話の放射する電磁波は、4〜5p頭に入る。耳道にできる腫瘍に、私たちは重点を置いている。携帯電話を使う人は、使わない人と比べて腫瘍のできる場所が異なるか、調査している。他の13カ国でも同様の調査をWHOの下で行っている。世界中で6000人の脳腫瘍の患者に対して聞き取り調査が行われていて、この大規模な調査の結果が注目されている。
 欧州第三世代移動体通信システム(UMTS)の携帯電話はさらに1万本の中継基地局を建設する予定だ。

 フランクフルトで行われた携帯電話に批判的な集会。ここに環境科学者ナイツク(Neitzke)博士が講演した。博士はこれまで1000以上の調査研究を分析し、鑑定してきた。彼の講演の概要は、「電磁波は人間の生体に影響を与える」というものだ。
 ボーダフォンの中継基地局に反対する住民は「子どもが携帯電話を持つ責任は親が負います。同様にプロバイダは、中継基地局近隣の住民に対して責任を負うのです。」
 アデルコファー(Adelkofer)教授はEU(欧州共同体)から研究資金を受け、REFLEXという研究プロジェクトを行っている。プロジェクトでは人間の細胞に携帯電話で使用されている電磁波を照射した。12の研究チームが同じ実験を行う。2つのチャンバーに培養細胞を入れ、そのうちの一つのみを照射した。電磁波があるリズムで照射されるとき、染色体に破損が見られた。「遺伝子毒性効果」と呼ばれるものが引き起こされた。これは腫瘍の発生の鍵である。
http://www.br-online.de/umwelt-gesundheit/thema/elektrosmog/studien.xml
 「電磁波によってDNAを傷つけ得る。今日まで30年から40年の間、電磁波はDNAとは関係ないとされてきた。REFLEXプロジェクトの結果は、これと矛盾する。だからこの結果に対する風当たりは強い。」

 ドイツには携帯電話に反対する市民運動団体が1000以上も存在する。
 緑の党所属のトリッテン環境大臣は「基準値を下げようとする政治的な動機はあったが専門家は必要なしとした。専門家の意見を尊重しなければならない。」
 アデルコファー教授は「私の意見は予防原則に基づく措置を容認すること。いつの日にか、科学的根拠に基づいた基準値を導入しなければならないだろう。」