がうす通信第69号(2004/10/10)


電車内携帯電話問題

名古屋市交通局、市営地下鉄のホームを「圏外」に

 名古屋市交通局は、携帯電話が発する電波が心臓ペースメーカーを誤動作させる可能性があることから、市営地下鉄のホームや電車内が「圏外」となるようアンテナの調整を進めている。市営地下鉄80駅のうち、地上駅などを除く72駅が対象となる。
 同局では、携帯電話が発する電波が心臓ペースメーカーに影響を及ぼすとした総務省の報告を受けて、名古屋市営地下駅のホームと電車内で携帯電話を「圏外」とするためにアンテナ基地局の調整を行なっている。調整は9月末にも完了する見込み。
 総務省では、携帯電話の電波がペースメーカーなどの医療機器に誤動作を及ぼす可能性があるとして、医療機器と携帯電話の距離を22cm以上離すよう指針を発表している。市営地下鉄ではこの発表を元に、従来、改札口などがあるコンコースに携帯電話のアンテナを設置していた。しかし、アンテナの設置の仕方や駅構造上、ホームまで電波が届いてしまう場合があり、混雑する車内ではペースメーカー装着者への安全が確保できないと判断、今回のアンテナ基地局の調整に至ったという。
 なお、駅ホームなどで利用できなくなるのは、NTTドコモ、ボーダフォン、ツーカーのPDC方式の端末と、au端末。誤動作の恐れが指摘されたのは、主に2Gの端末となるが、PDC方式と基地局アンテナを共有しているauの3G端末もこの影響を受ける。また、影響が少ないとされたW-CDMA方式のドコモとボーダフォンの3G端末については、ホームにもアンテナ基地局が設置されており利用可能となっている。
 今回の措置の理由について、基地局アンテナを市営地下鉄に設置している携帯キャリアで構成する社団法人道路トンネル情報通信基盤整備協会(トンネル協会)が、市営地下鉄にアンテナを設置する際に、コンコースへのアンテナ設置許可を得たという過去の経緯を挙げた。電波の特性上、コンコースにアンテナを設置したとしても、ホームにも電波が届いてしまう場合があるが、名古屋市交通局ではホームでの携帯電話の利用を認めておらず、アンテナ基地局の調整に至ったという。
 名古屋市交通局では、車内アナウンスやポスターなどで、電源をOFFにするようアピールしていくほか、ホームや車内で携帯電話が利用できないことが周知されれば、ユーザーは電源を切るようになると想定しているようだ。また、現在の携帯電話の状況は、2Gから3Gの携帯電話へ移行する過渡期であるとの認識を示し、「ペースメーカーへの安全を確保するためのやむ得ない措置」(名古屋市交通局)と今回の取り組みを説明している。
 なお、首都圏などのJR、私鉄、地下鉄事業者は、2003年8月に携帯電話のマナーを統一し、「優先席付近では携帯電話の電源OFF、優先席以外ではマナーモード設定し、通話は控える」と定めて告知。2004年1月には、関西の鉄道20社も同様の内容で取り組んでいる。

各鉄道事業者の携帯電話の利用のルール

関東の鉄道17社のほか統一ルール[優先席付近では電源オフ、それ以外ではマナー・モードで通話は控える]に合わせているのは、京都市交通局、大阪市交通局、神戸市交通局、JR各社(北海道、東日本、四国、九州)など。

以下はそれと違ったルールの事業者。

鉄道事業者名

車内における携帯電話の利用ルール

札幌市交通局

車内では電源オフ

仙台市交通局

車内では電源オフ

横浜市交通局

車内では電源オフ。全席を優先席にしている。

名古屋市交通局

車内では通話もメールも不可。混雑時には電源をオフに

福岡市交通局

車内での使用は控えていただく。混雑時は電源オフ

JR東海

朝夕の混雑時には電源オフ。それ以外は使用を控える。

阪急電鉄

 

先頭と最後尾の車両は電源オフ。それ以外ではマナー・モードでは通話は控える

 

阪急電鉄では先頭と最後尾の車両を電源オフ

阪急電鉄では昨年の7月から「先頭と最後尾の車両では電源オフ」で運用をしている。同社によると「もともとすべての車両のすべての座席を優先席として設定しているため,統一マナーに合わせることができなかった」という。
http://www.hankyu.co.jp/rail/sharyo/keitai_index.html

以下は阪急電鉄のホームページから

阪急電鉄では、携帯電話の電源オフを望むお客様と電源を切ることのできないお客様の双方に配慮し、やさしい鉄道をめざして「携帯電話の終日電源オフ車両」を設定しています。

 よくあるご質問

1.「携帯電話の終日電源オフ車両」についてどのような案内をしていますか。

駅貼りポスターや車内吊りポスターでご案内しております。また、「携帯電話の終日電源オフ車両」では窓や扉部分にもステッカーを貼付しています。

2.「携帯電話の終日電源オフ車両」以外の車両では通話してもよいのですか。

「携帯電話の終日電源オフ車両」以外の車両でも携帯電話による通話はご遠慮ください。ステッカーや車内放送で「通話はご遠慮ください」とご案内しております。また、携帯電話はマナーモードにお切り換えください。

3.「電源オフ車両」の設定両数が少なすぎませんか。

すべてのお客さまに携帯電話の電源をお切りいただくことは、携帯電話の普及率、依存度から不可能に近いのが現状です。これを考慮いたしますと、現在の前後2車両という設定が妥当であると考えています。

4.「通話可能車両」は設定しないのですか。

多くのお客さまからから「携帯電話の使用が迷惑」という旨のご意見いただいております。これを考慮し、「通話可能車両」を導入する予定はございません。

5.心臓ペースメーカーにはどのような影響があるのですか。

厚生労働省より「医用機器への電波の影響を防止するための携帯電話端末等の使用に関する指針について」が出され、「22cm(の距離)を保つよう注意することが必要」とあります。しかし、その距離を保っていても、ペースメーカーをご使用のお客様にとっては周りのお客様が携帯電話をご使用になるのを見るだけで不安な気持ちでご乗車になられています。

6.「電源オフ車両」でPHSは使ってもよいのですか。

PHSについては、ペースメーカーに対する悪影響は、携帯電話ほどではないと言われています。しかしながら、外見からは携帯電話かPHSかの判断はつけにくく、前項のようなケースもあり、また、静かな音環境保持という導入理由からも電源をお切りください。