がうす通信第71号(2005/2/14)


東京 都立府中病院の統廃合と高圧線問題

 鉄塔は移設しても人の健康への配慮なし

 27万5千ボルトの高圧線の直下に都立病院がある。3つの都立病院を統廃合し府中に建て替えされる計画が進められているが、ここで妨げになっている鉄塔を移設することになっている。
 東京都は八王子小児、清瀬小児、梅が丘(小児精神)の3院を府中にまとめて、小児総合医療センターとする計画で事業者選定入札が3月に行なわれる。当初は世田谷区の梅が丘病院の閉鎖・移転も17年度といわれてきたが、送電線の問題で2年遅れがでている。
 いくつかの問題点がある中、この高圧送電線による電磁場問題があって、ガウスネットは大河原雅子都議会議員と一緒にこの場所を12月末に計測してみた。病院の中には入らず建物のすぐ外側でいろいろな場所を測ったが、4.4〜7.6ミリガウスが出た。新築されて高層になれば上の階ではこの数値が2〜3倍になることも考えられる。4ミリガウスで小児白血病のリスクが明らかになっている中で白血病の子どもが入院する病棟の環境がこれでいいのかどうか問題。直るものも直らなくなりそうでは困る。
 また3つの小児病院が廃止されて府中に統合されるということについても大河原都議は、「病院は別々に充実させ、小児精神は多摩にも拠点病院を新設すべきところでしょう。」と語り、都議会で取り上げていくことを検討している。
 【既設線の対策はコストがかかることから対策が行われない高圧線問題だが、このような新たな計画でも配慮がないのでは、予防原則の議論は全く生かされないことになる。】

東京都の新たな病院の建設のため既設の送電線(点線部分)が移設されることになっている。鉄塔一基が移動する。しかし電磁場問題はまったく配慮されていない。


 「8歳未満は携帯電話を使わせないように」

国立放射線防護委員会(NRPB)スチュワート報告

 8歳未満の子どもには携帯電話を使用させないように、と英国立放射線防護委員会(NRPB)が警告を発した。NRPBは英保健省の管轄にある独立研究機関で、この調査の責任者であるスチュワート博士が1月11日記者発表で報告した。
 「10代の子どもを持つ親なら、身の安全を守る対策として携帯電話を子どもに持たせたいと思うかもしれない。それは個々人の選択だ。でも携帯電話があるからといって常に身を守ることができるというものではない。ただ、子どもが3〜8歳の場合、そのような理由で持たせることは、私はできないと思う。」「8歳〜14歳については、持たせるなら保護者はしっかりとした根拠に基づいてそう判断しなければならないだろう。予防的な対応をとり、通話はできるだけ控えてメールにしていくことも必要だろう。」と対策を勧めている。
 公表された報告のプレスリリースの文の中には、「8歳未満・・・」等の記述はないが、発表の席で、スチュワート博士が語ったものが報道されたものである。
 博士は携帯電話の有害性については確実な証拠は突き止められていないが、予防的なステップを保護者らに求めている。
 英では5〜9歳までの子ども69万人が、10〜14歳では366万人が携帯電話を持っており、今年の終わりにはそれぞれ75万人、369万人に増加すると見られる。(ガーデイアン紙2005年1月11日から)

 市民への基地局情報提供、電磁波への配慮を求める報告

 NRPBの報告は以下の8項目の勧告を行っている。
1、市民が携帯電話や基地局の健康影響に関連した最新の情報に容易にアクセスできるよう改善がなされるべきである。
2、携帯基地局を設置する場合は、その計画策定が独立した機関によって点検される必要がある。
3、マイクロセルやピコセルの設置に関する法制上の権限や規制が明確化され、それらの設置に関する情報公開がもっとなされなければならない。
4、第三世代携帯の基地局によってネットワークを拡大するのなら、その基地局がいかなる被曝をもたらすのかを同時にモニタリングするべきである。
5、携帯基地局周辺の立ち入り禁止区域を設ける場合は、その区域がはっきりそれをわかるような設置のされ方をしているかどうかを公的に点検を受けることが必要である。
6、消費者がよりよい選択ができるように、いろいろな携帯電話のSAR値を比較したデータが簡単に入手できるようにしなければならない。
7、たとえば子どもたちのような、電磁波に対する脆弱性が高いと想定されるグループに対しては被曝を最小限度にとどめるために、あるいは高周波に対する高い感受性を持つ人々が存在するかもしれないという点を考慮して、最善の対処をなすよう心がけなければならない。
8、携帯電話技術の健康影響についてさらなる調査研究の継続を強く支持する。



オーストラリア「10歳未満には売らない」携帯会社
【シドニー・モーニング・ヘラルド2004年12月9日】
 バージン・モバイル社は、携帯電話の110億ドル産業の業界からはずれて10歳未満の子どもについては販売活動の対象にしないことを約束している。そのことは他の事業者である特にテレストラ社、オプタス社にも圧力となり、両親が子どもたちに携帯電話を買うことを躊躇させやめさせるための力になっている。
テレストラ社の携帯電話についての市場責任者は、両親へ安全への配慮の方法として5歳のこどものために合意の計画を会社の路線を維持しいまだに進めている。
 その計画は子どものいる家族にも携帯電話を使用させるテレストラ社のより拡大したシェアを得るための策のひとつである。ロイ・モーガン・ショーの調査によると大人の4分の3近くが携帯電話を持っているのに、10歳から13歳までの子どもでは30%しか持っていない。
 子ども用の携帯電話には家庭や学校のためのプログラムや大きなボタンがついているようである。子どもたちは明るいカラーでキャラクターグッズのように洗練された追跡装置を持ち歩くだろう。
 テレストラ社とオプタス社は「オーストラリアン・アイドル」のような10代向け雑誌を通じて10代前半の子どもたちの市場へ製品の販売を続けている。
 イギリスは10〜14歳の間で子どもの3分の1が携帯を持っている国で、携帯電話会社は健康へのリスクが浮き彫りになった報告の後子どもへの販売についてガイドラインを選択することを求められていたが、多くは無視してきた。オーストラリアにはこのようなガイドラインはなくて、ほとんどの子どもは電話のクレジット契約をできないのというものの、事業者はその計画については全く自由市場だ。このような状況で多くの会社が今プリペイド携帯電話を計画している。
 バージン・モバイル社の製品部長、アンディー・マリンソンは今週、広告業界の首脳会議で次のように語った。「私は10歳の子どもに携帯電話を持たせないというあなたの意見を支持する。携帯はそれを手に持ちその価値を理解する人によって使用されるべきだ。」
 昨日はそれに加えて「テレストラ社のような会社が10歳未満の子どもたちに電話の値下げ版を出したり、贈り物にするようなことを心配しています。私たちは子どもたちに携帯電話を販売しないということに社会的な責任があると思います。」
 ボーダフォン社は社のガイドラインでは16歳以下の子どもは誰に対しても販売することを禁止しているという。
 昨夜、通信大臣のヘレン・コーナンは「私は全ての通信会社に対して若い人特に子どもたちを対象に会社の製品を販売することには責任ある態度を取るよう要請した。」と語った。