がうす通信第88号(2007/12/10)


 『連絡会議』が経済産業省へ申し入れ 10月10日

「WGは良い議論がされており、公正だ」と回答

「電磁波から健康を守る100万人署名連絡会議」は10月10日経済産業省への申し入れを行った。大河原まさ子議員にも同席していただき参議院議員会館にて実現した。
  出席したのは議員のほか、網代、大久保、御地合、本田、懸樋で、経済産業省からは、原子力安全・保安院電力安全課電気保安室長 森下泰氏、同課保安係松井一記氏が応対した。
 質問(内容は前号)に対する回答の概略は以下のようなものだった。
●経済産業省が電磁場による健康影響問題を取り扱っていることについて、「電力設備についは原子力安全・保安院の仕事である。現在の委員会では良い議論をしてもらっていると思う。」
●兜論文の評価については、「文科省でやったことであるので。」
●電力会社から研究費を受け取っている者を委員から外すことを求めたことについては、「そういうことは、これまでやったことがない。」

●電事連の委員が入っていることについては、「規制をしたら協力していただく立場なので、委員として必要だ。議論や議事録を公開しているので、委員たちには緊張感をもってやっていただいており、それによって公正さは保てる。消費者団体の委員もいる。」
●委員による「市民の意見を聞くことはしないのか」という前回のWGでの提案に対して、 募集することにしているので、意見を寄せてほしい、とのこと。
  意見を募集するうえで低減対策についてと制限を付けているのはおかしい、と指摘したところ、「ホームページの表現を修正するのでどんな意見でも書いてほしい。」と答え、意見はWGで公表し検討する、と答えた。
 議員もいたせいか、全体としては表面上丁寧な応対ではあったが、質問書に対してはおきまりの言い訳で終始、正式な形での回答を求めたが、「それは今お答えした通りなので」文書にはしないとの返事だった。(まとめは懸樋)


経済産業省へ電磁場規制について申し入れ

「連絡会議」で内容を検討し、大河原雅子参議院議員(民主党)の紹介で10月10日経済産業省へ申し入れた。
全文は以下の通り。

経済産業大臣

甘利 明 様

電磁場問題ワーキンググループの公正な運営と

公開された議論に関する質問書

 6月1日より開催中の「電力設備電磁界ワーキンググループ」について、今後、公正に行われますことを切望し以下の通り質問致します。

1、現今のワーキンググループでは、電力設備から発生する電磁場について、それがもたらす可能性のある健康被害を防止するための基準作りが検討されていますが、WHOのEHCでは「あらゆる電磁場発生源」を対象としています。たんに「電力設備」の磁場規制だけに限定せず、あらゆる発生源に対応するためには経済産業省、厚生労働省、国土交通省、環境省、文部科学省等、関係する省庁が合同で協議するワーキンググループに作り直す必要があると思われます。この点について、お考えをお聞かせください。

2、2002年に発表された国立環境研究所の報告(兜研究報告)に対して、非公開で実施された文部科学省の評価委員がオールC評価を下し、その疫学研究で示された小児白血病の発症リスクの増加という結果を無効としました。
 WHOはEHCにおいて兜論文をはじめとして諸外国の同様の疫学研究報告を取り上げ、小児白血病に関するリスクとの関連性を否定することはできないと認定しています。それ以前にもIARCは、同様の疫学研究の結果をもとに低周波磁場について「発がんの可能性あり」とのランク付けを行っています。

  文部科学省評価委員会が兜研究報告をオールCと評価した一つの根拠に「学術論文による発表で既刊あるいは受理されたものはなく」、国際的に評価される成果を挙げていないとしています。しかし2006年8月の論文専門誌「国際がんジャーナル」に兜研究報告が掲載されました。このことからみられるように文部科学省の評価委員会の結論は著しく妥当性を欠いています。
 ワーキンググループはまずこの「電磁波疫学調査」研究報告の意義と重要性について、きちんと評価すべきと考えますが、ご見解をお示し下さい。

3、今回のワーキンググループの中には少なくとも2人の教授が大学の研究費を関連企業から受けていることが明らかになっています。利益相反の観点から、それらの教授の研究の中立性に疑いを持たざるをえませんので、今回のワーキンググループのメンバーからはずすことが適当だと考えます。また他にも電力関連企業から資金を受け研究している委員がいましたら、その事実を公表の上、同様の対処をお願いします。電気事業連合会公務部長の肩書きの委員についても、公正な立場にいるとは言えず、やはり同様の対処が適当です。以上の委員をメンバーからはずせないとするなら、その理由をお示しください。

4、WHOはEHCの勧告のなかで、「極力コストを抑えた予防対策」を推奨しています。これを我が国に適用する場合、これを「コストがかかる予防対策はできない」として対策を講じることを回避するための弁明に使わないようにしてください。少なくとも次の4件については、「極力コストを抑えた」上で対策を講じることは決して不合理なことではないと考えます。

・新たに電力設備を設ける場合は、3〜4mG以上で小児白血病のリスクが増加するという疫学調査結果に基づき、その設備から発生する磁界により、その周囲の住宅、学校、病院など、人が長時間居住、滞在、利用する場所で4mG以上にならないよう規制すべきです。
・既存の電力設備については、3〜4mG以上で小児白血病のリスクが増加するという疫学調査結果を重視し、磁界低減対策を積極的に講じるよう、設備設置者に義務づけるべきです。
・新規および既存の電力設備については、その周辺住民等との意見交換を十分に行い、住民等との合意に基づいた対策を講じるよう、設備設置者に義務づけるべきです。
・周辺への磁界が4mGを下回る施設であっても、電磁波に特に敏感な人々が周辺にいる場合には、その人々と協議をしながら対応、配慮を行うよう、設備設置者に義務づけるべきです。

これらの対策を講じることに関してどうお考えでしょうか。

5、作業部会の委員に選ばれていない疫学者、電磁波問題研究家、一般市民、消費者団体代表で私たちの推薦する人の意見を聞く時間を設ける考えはありませんか。

以上

 


カナダ 緑の党が電磁波問題に取り組む

カナダでついに携帯電話とワイアレス技術に目を向け、「バイオイニシィアティブ・リポート」に言及する政党が現れた。カナダ緑の党のエリザベス・メイ党首は現職の前、オタワの環境団体シエラ・クラブの部長を務めていた。メイ党首は環境大臣トニー・クレメントに携帯電話とワイアレス・ネットワークの電磁波による潜在的な危険に対して早急に警告すべきと要求した。
  最近ではドイツが市民にできるだけワイアレス技術を避けるようにとの警告を出したし、EUヨーロッパ環境保護局(EEA)は、携帯電話やワイアレス・ネットワークからの電磁波曝露を軽減させる動きに同調した。EEAは電磁波に対する対応の遅れはアスベルトやたばこの場合のような健康危機を引起こしかねないと訴えた。
  「携帯電話やワイアレス・ネットワークの電磁波曝露が人体に、特に子供に重大な害を引起こす科学的証拠が増してきている。すべての事実が明らかになるまで、電磁波の潜在的な健康影響に見て見ぬふりをするのは馬鹿げている」とメイ党首は言う。緑の党は、州政府に予防原則を採用し、市民にこれらのリスクを早急に警告するように要望した。
 健康問題評論家のジェイク・コール氏は、クレメント環境大臣がこの問題に早急に対応することを要望した。「職場で家庭で、ワイアレス技術によって電磁波にさらされるカナダ人はどんどん増えている。長期間の曝露の影響については確実なことはわかっていないが、健康影響が公衆安全基準よりはるかに低い曝露レベルで起りえることを示す証拠もある。ドイツやEU先進諸国に続いて、カナダもこの問題に関して社会的警告を早急に出すべきである。そしてカナダ市民の健康と安全を確かなものにするための方針と規制を確立すべきである」とコール氏は語った。

予防原則にのっとって、緑の党は次のとおり勧告している。

  12歳以下の子供たちは、緊急時以外はケータイ電話を使わせるべきでない。
  緊急時以外、学校内で携帯電話を使わせるべきでない。
住宅地や学校の300メートル以内にすべてのワイヤレス施設や携帯電話基地局の設置を一時的に中止すること。
  電機製品は、使用しない時は電源を切ること。

http://www.emfacts.com/weblog/?p=806