がうす通信第93号(2008/10/20)


欧州議会 電磁波など基準の厳格化を可決

 『バイオイニシアテブ報告』を受け止め、予防原則を適用

欧州議会が電磁波に関する厳しい基準を作ることを求める提案を9月4日採択した。報道発表によると、 『欧州の健康と環境アクションプラン2004−2010中期評価』(MEPs)を賛成522対反対16で採決した。2010年までに2つの不可欠の目的についての答えを委員会に求めている。それは

●一般の人々に環境汚染とその健康への影響を知らしめること。
●欧州がリスク減少政策を適用すること。

プレスリリースでは、@「損傷を受けやすい人たち」、A「空気の質」、B「新しい科学技術の危険性」そしてC「精神衛生」以上の4つの項目で語られており、ほとんどの部分が電磁場問題になっている。このうち@とBについて翻訳して紹介する。

損傷を受けやすい人たち

MEPs』は、健康に影響を及ぼす環境要因を評価するとき、 妊婦、新生児、子どもたち、そして高齢者のような損傷を受けやすいグループを真っ先に考慮すべきであることを強調する。汚染物質に対して影響を受けやすいこうした人たちについては、学校や医療設備において室内環境汚染物質への曝露を低減させる特別な対策をほどこして防護されるべきである。
 予防原則に基づいた防護に対する能動的で新しいアプローチが求められている。『MEPs』はEUがアクションプランに対して継続性があって能動的かつ柔軟な取り組みをなすよう求める。環境の健康影響に関する専門知を獲得するにあたっては、政府部局や専門家の委員会に対する一般市民の不信感を払拭すべく、透明性が高く、多くの分野にわたり、相反する立場も含み込んだアプローチが必要である。近年、環境政策において誠実な進歩をしてきてはいるが、EUの政策は、総合的な防護戦略には未だ欠点があり、予防原則の適用は失敗している、と言える。欧州委員会は、欧州裁判所の判例に基づいて予防原則の行使に関する判断基準を改訂すべきであろう。コミュニティの健康と環境に関わる政策で一番大切なのは、部分的で条件付きの対策に依拠しながら、安全確保の原則を行動に移していく、というやり方であり、そのことを実現していく必要があるからである。

  新しい科学技術の危険性

MEPs』は、すでに市場に出回っているナノ粒子を含む消費財の安全性の確保のための特別な法的対策が欠落していることを憂慮している。電磁波についての『バイオイニシアチブ報告』は、携帯電話、次世代携帯電話(UMTS)、無線LAN等(Wifi、Wimaxブルートゥース)、デジタルコードレス電話といった移動式電話装置からの曝露による健康リスクがとりわけ大きいと指摘しているが、『MEPs』はその報告書にも大きな関心を持っている。
 その報告では、これまで採用されてきた公衆への電磁場の曝露制限は時代遅れになっている、と記されている。そうした曝露制限は、情報とコミュニケーション技術の発達、または妊産婦、新生児や子どもたちなどの傷つきやすいグループを考慮に入れていないからである。