がうす通信第98号(2009/8/3)


東海旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 松本正之殿

「リニア中央新幹線」計画に関する質問、及び要望書

1、南アルプス貫通ルートでは建設費が5兆1千億円と見込まれていますが、細目別の内訳を開示してください。

2、新駅の建設に伴い、駅舎や周辺の整備などで自治体や国の出費はどの程度と予測されますか。

3、全体の建設費が増額された場合、最悪のケースではどの程度が見込まれますか。また、その場合、採算の可能性はどうなりますか。
 建設費が増額となる可能性として、想定されている要因は何ですか。また、その対策費として、予備費はどれくらいを見込んでいますか。

4、同ルートの土地取得について国立公園内も含まれるはずですが、通過用地の権利の取得を含め詳細を教えてください。

5、リニア中央新幹線の開通後走行用の消費電力の総量はどの程度ですか。ピーク電力の総量、平均電力の総量それぞれについてお聞かせください。

6、5の電力は貴社で調達するのですか、或いは電力会社に依頼するのですか。

7、リニア山梨実験線において運転中のリニア車両の電磁界の強さを教えてください。

 座席、通路など乗客の利用箇所での計測値を、強度と周波数の両方について、また走行中の磁場の周波数の変動について教えてください。

8、環境への影響について、国から求められて、あるいは、貴社が独自に行っている調査は何ですか? また、今後行う予定の調査は何ですか。

9、
南アルプスにトンネルを掘った場合、次の点を明らかにして下さい。

(a)  自然生態系への影響について。

(b)  地下水や河川への影響について。

(c)  トンネル掘削や工事用道路建設など、工事に伴う廃土は、総量をどれくらいと見込んでいますか。またその処理についてはどんな計画をお持ちですか。

(d)  トンネル掘削の工法と工期について。

10、中央構造線のV字谷において、リニアのルート付近(明かり部分)に存在する崩落地の危険性についてどのようにとらえていますか。また、その対策にかかる費用をどのように見積もっていますか。その費用は先般公表された建設費に含まれていますか。

11、大深度地下で万一事故が起きた際、それに備えた救出路など対策はどのようにお考えですか。

2009年7月15日

この質問に対する回答が7月末JR東海広報部より届いた。
それには、私たちの質問に何も答えておらず、必要な情報はホームページに提供している、とのこと。
しかし、ホームページには答えになるものは何も掲載されていない。
あまりにも不誠実な態度である。

工事費 東京―名古屋間5兆1千億円

15年前の試算の5割増!  内訳は公開せず

JR東海は6月18日「リニア中央新幹線」東京―名古屋間の想定工事費を発表した。長野県が要望している南アルプスを迂回するルートは、同社が提案している貫通直線ルートに比べて最大6400億円増になると試算している。

3つのルート別に算出して最もコストがかからないという南アルプス貫通ルートで在来新幹線との差が9200億円になる。

この発表では内訳が明らかにされていない。維持運営費、設備更新費、などは6月下旬から8月上旬に説明予定、とされているが、問題は車両費、ガイドウエイ、電力システム、トンネル工事、大深度地下での工事費などの内訳が不明である。これが、在来新幹線とどう異なるか検証確認するにもデータがない状態だ。

15年前に、民間のシンクタンクによる東京―大阪間での建設コスト試算がある。それによると、総額は5兆1466億円で、今回の東京―名古屋間とぴったり同じ額である(次ページの表の通り)。しかしなぜか大阪行きが名古屋止まりになっていた。

それぞれの車両費、ガイドウエイ、電力システムなどは当然ながら15年前とコストは同じではないだろう。いったいどう変わっているのか。

東海道新幹線の東京―大阪間は552.6kmで東京―名古屋間は366.0kmだ。つまり名古屋までは66.2%の距離になる。この距離単価で大阪まで延ばすと単純計算で、7兆7千億円になる。つまり建設費は15年前のちょうど5割り増しになっていることがわかる。なっているというよりはそのように想定したのだろうか。


「リニア中央新幹線は必要ない」が57%

朝日新聞甲府総局のアンケート

 リニア中央新幹線のルートをどうすべきかをたずねるアンケートが朝日新聞甲府総局によって行われた(長野県版の4月2日に掲載されている)。その記事は、「都市と地方の対話 観光と環境保全」というタイトルで、東京へ住む人へいずれUターンするなら山梨と長野のどちらを選ぶか、などの細かい項目が並んでいる。

その中に【共同質問】JR東海によるリニア中央新幹線の建設では、複数のルートが議論されています。あなたなら、どのルートにすべきだと思いますか、という設問があった。

その結果は56.8%という多数がリニア中央新幹線は必要ない、という答えだった。

 

南アルプスをトンネルで貫く直線ルート         1094   26・4%

南アルプスを北へ迂回して木曾谷を経由するルート  394    9.5%

南アルプスを北へ迂回して伊那谷を経由するルート  305    7.4%

リニア中央新幹線は必要ない               2353   56.8%

計4146人  

【設問はリニア建設が前提になっているにもかかわらず、[必要ない]を選択した人がこれだけ多かったことになる。各地方の自治体の議会はこの民意を代表していると言えるのだろうか。】